デジタル化が進むなか、DX人材の確保は企業にとってますます重要になっています。

しかし、「どんなスキルを持った人を探せばいいのか」「育成と採用、どちらが良いのか」「外注する企業はどのように選べばいいのか」と悩んでいる経営者の方も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、DX人材に求められる具体的なスキルや適性をわかりやすく解説します。

また、中小企業でも取り入れやすい人材確保の方法や、外部パートナーを上手に活用する方法についても触れます。

あなたの会社のDX推進をサポートするヒントを見つけたい方は、ぜひチェックしてください。

DX人材とは?

DX人材とは、デジタル技術に精通しており、ビジネスの本質を理解したうえで、デジタル技術を活用した組織や事業の変革を推進できる人材を指します。

既存のビジネスモデルの見直しやデジタル技術を活用した新たな価値の創造、組織内のデジタル化の推進、業務プロセスの効率化、顧客体験の向上など、DX人材に求められる役割は多岐にわたります。

また、データ分析に基づく意思決定の促進や、新技術の導入による競争優位性の確保なども重要な任務です。

DX人材の重要性は今後さらに高まると予想されており、企業の競争力を左右する重要な要素となっています。技術の進化とビジネス環境の変化に柔軟に対応できるDX人材の確保と育成は、企業の持続的成長にとって不可欠といえるでしょう。

DX人材が求められる理由

DX人材が求められる背景には、急速なデジタル化の進展と企業の競争力強化の必要性があります。

国際経営開発研究所(IMD)の「世界のデジタル競争力ランキング2023」において、日本は63カ国中32位と低迷しており、特に「人材/デジタル・技術スキル」の分野で63位と最下位となりました。

IMD_世界のデジタル競争力ランキング2023

この結果から、日本企業におけるIT人材の不足とデジタル技術・スキルが欠如していることがわかります。

各国企業のデジタル化の状況

また、総務省が発表している「情報通信白書令和5年版」によると、日本企業は米国・ドイツ・中国と比較して、デジタル化における人材不足を大きな課題として認識しています

グローバル市場はもちろん、国内の競合他社を上回る競争力を維持・向上させるためには、DXの推進が不可欠であり、それを実現するDX人材の確保が急務となっているのです。

DX人材が担当する職種

DX人材が担当する職種は多岐にわたります。

経済産業省と独立行政法人情報処理推進機構(IPA)の分類によると、主に5つの類型に分類されます。

DX推進スキル標準の人材類型の定義
累計特徴
ビジネスアーキテクトDXの目的設定、関係者間の調整、プロセスの進行管理を担当
デザイナー製品やサービスの方針、開発プロセスの策定、ユーザー体験の設計を担当
データサイエンティストデータ活用戦略の策定、データの収集・加工・分析を担当
ソフトウェアインエンジニアシステムやソフトウェアの設計・管理・保守、開発環境の最適化を担当
サイバーセキュリティセキュリティリスクの評価、対策の管理・実施を担当

DX人材に求められるスキルとは

DX人材には、企業のDXを推進するために、さまざまなスキルが求められます。具体的に必要なスキルは次の通りです。

  • 業務知識
  • デジタルリテラシー
  • 推進力
  • 想像力と柔軟性
  • コミュニケーション能力
  • レジリエンス
  • 主体性
  • 専門的なスキル
  • 越境学習能力

それぞれ詳しく解説します。

業務知識

DX人材には、前提として自社の業務知識が求められます。

既存の業務フローやプロセスを熟知したうえで、デジタル技術の活用によってどのように改善できるかを見極める必要があるためです。

また、業界全体の動向や競合他社の状況も把握し、自社の位置づけを正確に認識することも重要になります。

適切な施策を提案の提案や実行のためには、業務に関する幅広い知識が必要になるでしょう。

デジタルリテラシー

DX人材には、デジタル技術の基礎知識を理解し、業務に適切に活用できるデジタルリテラシーが求められます。

DXを推進するには、クラウドコンピューティングやAI、IoT、ビッグデータ分析など、最新技術のトレンドを把握し、自社の課題解決に適したソリューションを選択しなければなりません。

また、デジタルツールやプラットフォームの使用方法を理解し、効率的に活用する能力や、データをもとにした意思決定を行うスキルも必須となります。

推進力

DX人材には、社内外の関係者を巻き込みながら、組織全体の改革や業務改善を推進する能力が必要です。

DXビジョンを明確に提示してチームを導くリーダーシップや、複雑なDXプロジェクトを効果的に管理するプロジェクトマネジメント能力が求められます。

また、組織の変革を円滑に進めるチェンジマネジメント能力や、さまざまな利害関係者との調整ができる能力も必要です。

創造力と柔軟性

DX人材には、不確実な未来を見越す創造力と、変化に柔軟に対応する能力も求められます。

デジタル技術を活用した新たなビジネスモデルや価値創造を構想するビジョンの構築力や、既存の枠組みにとらわれずに、革新的なアイデアを生み出すイノベーション思考が求められます。

また、迅速な意思決定や行動修正を行う能力、複雑な課題を分析して効果的な解決策を見出す問題解決力も必要になります。

これらのスキルを備えたDX人材は、急速に変化するデジタル環境において、新たな機会の見極め、競争優位性を確保できます。

コミュニケーション能力

DX推進には、高いコミュニケーション能力も必要です。コミュニケーション能力の詳細は以下の通りです。

  • 説明力:技術的な内容を非技術者にもわかりやすく説明するスキル
  • 傾聴力:さまざまな意見や要望を適切に理解し、受け止めるスキル
  • 交渉力:異なる利害関係者間の調整を行い、合意形成を図るスキル
  • プレゼンテーション力:DXの価値や必要性を説得力のある形で伝えるスキル
  • 文書作成力:プロジェクト計画や報告書を明確かつ簡潔に作成するスキル

これらのスキルによって、DX人材は組織全体のデジタル変革への理解と協力を得られるでしょう。

レジリエンス

DX人材には高いレジリエンススキル(回復力・強靭性)も必要になります。

具体的には、以下のようなスキルが求められます。

  • ストレス耐性:高圧的な状況下でも冷静さを保ち、適切に対応する能力
  • 失敗からの学習:失敗を恐れず、そこから教訓を得て成長する姿勢
  • 粘り強さ:困難な状況でも諦めずに目標に向かって努力を続ける能力
  • 適応力:予期せぬ変化や障害に柔軟に対応し、方向転換する能力

高いレジリエンスを備えたDX人材であれば、長期的かつ持続的にDXプロジェクトを推進できるでしょう。

主体性

DX人材には、高い主体性と自己管理能力が求められます。

常に新しい知識やスキルを学び続ける姿勢や、明確な目標を自ら設定して、その達成に向けて行動する能力、外部からの指示がなくても、自ら課題を見つけ行動するスキルが必要です。

また、複数のタスクや責任を効率的に管理する時間管理能力や、自身の行動と結果に対して責任を持つ姿勢も必要です。

専門的なスキル

DX人材には、役割に応じた専門的なスキルも求められます。

前述したように、DX人材が担当する職種はさまざまで、定義されている職種では以下のような専門スキルが必要になります。

  • ビジネスアーキテクト:戦略立案、プロセス設計、ビジネスモデル構築など
  • デザイナー:UX/UIデザイン、サービスデザイン、デザイン思考など
  • データサイエンティスト:統計分析、機械学習、データマイニングなど
  • ソフトウェアエンジニア:プログラミング、システム設計、クラウド技術など
  • サイバーセキュリティ専門家:リスク評価、セキュリティ対策、インシデント対応など

専門スキルを持つ人材が協力することで、包括的なDX推進が可能となります。

越境学習能力

DX人材には、越境学習能力も必要です。

越境学習能力とは、自身の専門領域以外の分野における知識を積極的に学び、新たな視点やアイデアを獲得する能力です。

例えば、IT技術者は、システム設計やプログラミングが専門領域となりますが、プロジェクトの目的や経営戦略も理解したうえで、業務を遂行することが期待されます。

このスキルによって、DX人材は組織全体を俯瞰し、より効果的なDX推進を実現できます。

DX人材を確保するための3つの方法

これまで、DX人材に求められるスキルを解説してきましたが、そのような人材が企業に在籍しているケースはまれといえます。特に、中小企業であれば、DX人材をすぐに確保するのは難しいかもしれません。

DX人材を確保する必要がある場合、以下の3つの方法から選択することになります。

  • DX人材を採用する
  • DX人材を育成する
  • 外部の人材を活用する

いずれの場合も、採用方法や育成方法などをよく理解して、自社のニーズに合った人材を確保することが大切です。

DX人材を採用するためのポイント

DX人材を採用して確保したい場合は、以下のポイントを意識しましょう。

  • 採用したい人物像を明確にする
  • 企業側から求職者にアプローチする
  • リファラル採用を活用する
  • 退職者や転職者にも声をかける
  • 自社の魅力をアピールする

それぞれ詳しく解説します。

採用したい人物像を明確にする

DX人材の採用を成功させるために、自社に必要な人物像を明確にすることが重要です。

以下の手順に沿って、自社にとって理想的なDX人材像を明確にしましょう。

  • 自社のDX戦略を明確化する
  • 必要なスキルセットや経験を特定する
  • 求める適性を定義する

まず、自社が目指すDXの方向性を明確にします。これにより、必要なスキルセットが見えてくるため、DX人材に求めるスキルと経験を決めていきます。

スキルセットは、クラウドやAI、データ分析といったIT技術に関するスキルと、プロジェクトマネジメントやリーダーシップといったビジネススキルの両面から考えて、必要なスキルを選定しましょう。

また、IPAが提示するDXに対応する人材に必要な6つの適性を参考にして、自社に必要な適性を定義するのもおすすめです。

採用したい人物像を明確にすることで、適切なDX人材を見極め、効果的な採用活動を展開できます。

企業側から求職者にアプローチする

DX人材を採用したい場合、企業側から積極的に求職者にアプローチすることが重要です。

従来の求人広告を使用しているだけでは、自社のニーズに合った人材に出会ったり、見つけたりするのが難しいためです。

具体的なアプローチ方法には、以下のようなものがあります。

  • ダイレクトリクルーティング
  • テック系イベントへの参加
  • オンラインコミュニティの活用
  • 人材紹介会社の活用

ダイレクトリクルーティングとは、企業が求める人材を直接スカウトする方法です。SNSなどを利用して、条件に合う人材に直接コンタクトを取ってスカウトします。

また、DX関連のカンファレンスやハッカソンなど、テック系イベントに参加して、潜在的な候補者と関係を構築するのも有効です。

さらに、IT関連の技術者コミュニティを活用して優秀な人材を見つけてアプローチしたり、DX人材に特化した人材紹介会社を利用して、候補者の紹介を受けたりするのもいいでしょう。

企業から積極的にアプローチすれば、受動的な求職者だけでなく、現在転職を考えていない優秀なDX人材にもリーチできるため、人材を採用できる可能性が高まります。

リファラル採用を活用する

DX人材を採用したい場合は、リファラル採用を活用するのもおすすめです。

リファラル採用とは、従業員からの紹介を通じて新たな人材を採用する方法です。

従業員は自社の文化や要件を理解しているため、適合性の高い候補者を紹介する可能性が高いほか、広告費や紹介料を抑えられるため、採用コストの削減にもなります。

また、紹介者がいることで、新入社員の組織への適応がスムーズになり、採用プロセスへの参加によって紹介した側の従業員のエンゲージメント向上も期待できます。

従業員の人材ネットワークを活用したリファラル採用を通じて、質の高い人材を効率的に採用できるかもしれません。

退職者や転職者にも声をかける

DX人材の採用において、過去の退職者や転職経験者にアプローチすることも効果的な戦略です。

退職者や転職者は、自社の文化や業務を理解しているためです。

過去に自社で勤続していた人材のうち、ITスキルやビジネススキルを取得した人材がいれば、積極的に声をかけてみましょう。

実際に採用する場合は、再入社をサポートできるようなプログラムを導入したり、柔軟な雇用形態やスキルアップの機会などを提供したりすることが重要です。

また、企業が変化していることをアピールして、再入社することへの魅力を高めることも大切です。

退職者や転職者へのアプローチは、即戦力となるDX人材を効率的に獲得する方法として注目されており、実行する価値のある施策といえます。

自社の魅力をアピールする

DX人材を採用したい場合は、自社の魅力を余すことなくアピールすることが大切です。

DX人材の獲得競争は、日に日に激化しているためです。

具体的には、以下のアピールポイントを意識しましょう。

  • 最新技術への投資や挑戦的なプロジェクトについて
  • 企業文化やビジョンについて
  • 学習機会や成長機会を提供できることについて
  • 柔軟な働き方ができることについて
  • キャリアパスについて
  • 報酬や福利厚生について

自社が積極的に導入している新技術について、またはDXプロジェクトや革新的な取り組みに参加できることをアピールできれば、DX人材の興味を引く可能性があります。

また、企業が掲げるビジョンやイノベーションを進める企業文化、継続的な学習支援や社内外の研修プログラムへの参加など、学習機会・成長機会を提供できることをアピールするのもいいでしょう。

他にも、リモートワークやフレックスタイム制など、柔軟な働き方に対応していることや、具体的なキャリアパス、魅力的な給与水準・福利厚生をアピールするのもおすすめです。

このような自社の魅力を、求人広告や企業ウェブサイト、SNS、採用イベントなど、さまざまな採用チャネルで一貫してアピールするようにしましょう。

自社でDX人材を育成する手順

DX人材を自社で育成する際の手順は以下の通りです。

  1. DXの目的を決める
  2. DX人材の要件を定義する
  3. DX人材のキャリアパスを決める
  4. DX人材として育成する対象者を決める
  5. 育成計画を立てて実行する

DXの目的を決める

DX人材を採用する場合と同じように、まずは自社のDXの目的を明確にする必要があります。

目的を明確にすることで、必要なDX人材のスキルセットや役割が見えてくるからです。

DXの目的は企業によって異なりますが、一般的には以下のような目的が考えられます。

  • 業務効率化と生産性向上
  • 顧客体験の改善
  • 新規ビジネスモデルの創出
  • データ駆動型の意思決定の実現
  • 競争力の強化

例えば、業務効率化が主な目的であれば、プロセス改善やRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)のスキルを持つ人材が必要になるでしょう。

また、DXの目的を全社で共有することで、DX人材育成の重要性への理解が深まり、育成プログラムへの参加意欲も高まります。

DX人材の要件を定義する

DXの目的が決まったら、DX人材に求められる具体的な要件を決めます。

これも、DX人材を採用する場合と同じ考え方です。

DX人材の要件は、技術スキルとビジネススキル、マインドセットの3つの観点から考えることが重要です。

  • 技術スキル:クラウドコンピューティング、データ分析・AI、サイバーセキュリティなど
  • ビジネススキル:プロジェクトマネジメント、ビジネスモデル設計、リーダーシップなど
  • マインドセット:イノベーション志向、顧客中心主義、データドリブン思考など

これらの要件を、自社のDX目的や業界特性に合わせてカスタマイズし、明確な定義を作成しましょう。

なお、DX人材の要件定義は、関連する他の部署と協力して行うことをおすすめします。

DX人材のキャリアパスを決める

次に、DX人材のキャリアパスを設定します。

キャリアパスを示すことで、社員のモチベーション向上と長期的な人材定着につながるためです。

DX人材のキャリアパスは、以下のような段階を考慮して設計します。

  • エントリーレベル:基本的なデジタルスキルの習得、小規模なDXプロジェクトへの参画
  • ミドルレベル:特定の技術領域やビジネス領域での高い専門性、プロジェクトリーダーとして活躍
  • シニアレベル:複数の領域に精通、大規模なDXプロジェクトを統括
  • エグゼクティブレベル:全社的なDX戦略の立案と推進を担当

各レベルで求められるスキルや経験、達成すべき目標を明確にして、昇進・昇格の基準も設定しましょう。

また、技術専門職と管理職の両方のパスを用意することで、個々の適性や志向に合わせたキャリア開発が可能になります。

DX人材として育成する対象者を決める

次に、DX人材として育成する対象者を決定します。

育成対象者の選定では、以下の点を考慮しましょう。

  • 現在のスキルセット:IT知識やデジタルスキルを持つ社員を優先的に選定
  • 学習意欲:新しい技術やビジネスモデルに対する関心と学習意欲を持つ社員を選定
  • 適性:論理的思考力や問題解決能力、コミュニケーション能力が高い社員を選定
  • 部門横断的な視点:自部門だけでなく、全社的な視点を持てる社員を選定
  • リーダーシップ:他者を巻き込み、変革を推進できる素質がある社員を選定

選定方法には公募制もしくは推薦制を採用し、面接や適性テストを組み合わせて対象者を評価します。

選定された社員には、DX人材育成プログラムの目的や期待される役割を明確に伝え、自己啓発の意識を高めることが重要です。

育成計画を立てて実行する

DX人材の育成計画は、以下の手順で立案・実行します。

  • 現状分析:選定された社員の現在のスキルレベルを評価
  • 目標設定:DX人材の要件定義に基づき、達成すべき具体的な目標を設定
  • 学習内容の決定:技術スキルやビジネススキル、マインドセットの各領域で必要な学習内容を特定
  • 学習方法の選択:社内研修や外部研修、セミナー、OJT、メンタリングなど
  • スケジュール作成:学習内容と方法に基づいた具体的なスケジュールを作成
  • 進捗管理:定期的な面談やスキル評価を通じて進捗を確認し、必要に応じて計画を調整
  • 成果の評価:育成プログラム終了時に、目標達成度を評価し、次のステップを検討

育成計画の実行段階では、業務との両立を考慮して、段階的に学習を進められることが重要です。

また、インプットしたスキルを実践する機会を積極的に提供し、理論と実践のバランスを取ることで、効果的なDX人材の育成が可能です。

DX人材の育成は長期的な取り組みですが、継続的な投資と支援により、企業の競争力強化と持続的な成長につながります。

DXの外注先を選ぶ際の5つのポイント

DX人材を採用や育成するのではなく、外部サービスへ委託してDXを推進する方法もあります。その場合、どのような外注先を選ぶのかが、とても重要になります。

DXの外注先を選定するポイントは以下の通りです。

  • サービスを自社開発しているか
  • システムの開発実績が豊富か
  • 得意分野があるか
  • 保守や運用をサポートしているか
  • 担当者との相性がいいか

サービスを自社開発しているか

外注先を選ぶポイントの1つが、サービスを自社で開発・運用しているかどうか、ということです。

自社サービスを持つ企業は、開発だけでなく運用面での経験も豊富であり、より実践的なアドバイスを提供できる可能性が高いからです。

また、自社サービスの開発・運用経験は、プロジェクト管理能力や問題解決能力の高さを示す指標にもなります。

自社サービスの成功事例や、直面した課題とその解決方法について詳しく確認することで、その企業の実力を判断できるでしょう。

システムの開発実績が豊富か

DXの外注先は、システム開発の実績が豊富かチェックしましょう。

開発実績が豊富であることは、技術力と経験の証明となり、DX推進のプロジェクトの成功確率を高めます。

実績を評価する際は、以下のポイントに注目しましょう。

  • 開発したシステムの規模と複雑さ
  • 類似プロジェクトの実績
  • 異なる業界での開発実績
  • クライアントの評価
  • メディア掲載実績

また、具体的な成功事例やケーススタディを提示してもらい、その企業がどのような課題をどのように解決したかを確認することも重要です。

これにより、その企業の問題解決能力や創造性を評価できます。

得意分野があるか

DXの外注先を選ぶ際は、その企業の得意分野を確認しましょう。

得意分野がある企業は、その分野での深い知識と経験を持っており、効率的かつ効果的にDX推進を遂行できる可能性が高いです。

得意分野を評価する際は、以下のポイントをチェックしましょう。

  • 特定の業界へ特化しているか(例:金融、製造、医療など)
  • 特定の技術領域での専門性が高いか(例:AI、IoT、クラウドコンピューティングなど)
  • 特定のプラットフォームやフレームワークでの経験が豊富か
  • 独自の開発手法や技術、強みがあるか

得意分野がある企業を選べば、その分野特有の課題や規制に精通しており、適切なソリューションを提案してもらえる可能性が高くなります。

また、専門性の高い技術スタッフを抱えていることも多く、高品質な成果物を期待できます。

保守や運用をサポートしているか

DXの外注先選びでは、システム開発後の保守や運用をサポート体制も確認しましょう。

保守や運用のサポートが充実している企業は、システムの安定稼働を維持できるほか、運用段階で発生する問題に迅速に対応できるため、ビジネスへの影響を最小限に抑えられます。

また、開発段階から運用を見据えた設計を行う傾向があり、持続しやすいシステムが提供される可能性が高いでしょう。

外注先を選ぶ場合は、サポートが可能な時間帯や定期的なメンテナンス・アップデートの実施状況、トラブル発生時の対応などを確認しましょう。

担当者との相性がいいか

DXの外注先を選ぶ場合は、担当者との相性の良さもチェックしましょう。

プロジェクトの成功には、外注先との良好なコミュニケーションと協力関係が不可欠だからです。

初回のミーティングや提案プレゼンテーションの際に、以下のポイントを意識して評価しましょう。

  • コミュニケーションの頻度や方法、レスポンスの速さ
  • 柔軟性と適応力
  • 専門知識の共有や説明のわかりやすさ
  • 問題解決へのアプローチの方法
  • 企業文化や価値観の共有

担当者との良好な関係は、プロジェクトのスムーズな進行だけでなく、創造的なアイデアの創出や問題の早期発見・解決にもつながります。

長期的なパートナーシップを築くためにも、担当者との相性は慎重に評価しましょう。

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投稿者プロフィール

鈴木里奈
鈴木里奈
株式会社真工社 DX専門家
製造現場で工程設計や新規品の立ち上げ、海外工場への技術支援を経て、DX推進室の立ち上げに参画。DX専門家として社内外のDX支援に取り組む。